悲観的な人間の矛盾した行動と末路


【其の39】悲観的な人間の将来

どこの国にも、どこの土地にも、破滅すると 言いふらして歩く
大変に 悲観的な人間がいるものだが、フィラデルフィアにも、
そんな、悲観的なことを 言いふらして歩く人物がいた。

その人物は、かなりの年輩で有名人。

名前は、サミュエル・ミクル。

とても賢そうな顔をしており、物の言い方も 威厳に満ち溢れて
立派な様子の人だった。

この サミュエル・ミクルとは、別に 知り合いではなかったが、
この人物が、ある日 私のところに立ちよった。

そして、こう私に尋ねた。

「最近、新しい印刷所を開いた若者といのは、お前さんか?」と。

私は、「そうだ」と答えた。

 

すると、その人物は 私にこう言った。

「それは お気の毒だ。印刷業は、相当 お金のかかる商売だが、
せっかくのその お金も、結局は損になる。

というのも、フィラデルフィアは 衰える一方の土地である。
その証拠に、この町の連中は、すでに 半ば破産しているか、
もしくは、それに近い状態にある。

新しい建物が できるとか、土地の地代が上がるとか、
ともすると、その反対に 見えることも あるにはあるが、
自分が 知っているところでは、それは、当てには ならない。

そのような事こそ、実は、いずれ 私たちを破滅させる
原因になるのだから。」
─ と。

 

そして、さらに、今現在 起こっている、あるいは、近い将来に
起こるはずの 数々の不幸な出来事を、こと細かく、かつ 具体的に
話して聞かせてくれた。

話しの内容が、とてもリアルである為、彼が立ち去った時には、
私は、憂うつ症にかかってしまった。

印刷業の商売を始める前に、彼の話を聞いていたら、
きっと私は、開業はしなかっただろう。
この人物は、滅びゆく場所に その後も住み続け、私に熱心に
語ったのと同じ調子で、同じ内容の話しを しながら歩いては、
「すべてが 破滅に向かっているの」と言って、この土地に
家を買うことを 何年も拒んでいた。

ところが、ある日 ついに、最初に 不吉な予言を始めた時の
5倍もの代価を払って、一戸建ての家を 買ったのである。

私はそれを知ったとき、「ああ愉快だ!」と 叫ばずには
いられなかった。

<独立起業の支援を行うキッカケ / 勤倹力行時代の到来>

by 上田真司

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