一生涯お金に困らない唯一の方法


【其の19】一生涯お金に困らない秘訣

1724年12月24日。私たちはロンドンに着いた。

私は、最初の道順にあたる、その文房具商を訪ねて、
キース知事からだと伝えて、手紙を渡した。

すると、商人は、「そんな人は知りませんね」と言った。

手紙を開いて見せると、

「ん? これはリドルスデンからだ。
あの男はひどい悪党だということが最近分かったんで
あんな男とは関わりたくないし、手紙なんぞ貰いたくもない!」

そして、手紙を私の手の中におくと、クルリと向きを変えて
私の傍を離れ、他の客に対応するために去ってしまった。

私は、どの手紙も知事が書いたものではないと知って驚いた。

それから、いろいろ事情を思い合わせた結果、
彼の誠実さを疑い怒りすら感じた。

 

私は、友人のデナムに会って事の次第を全て打ち明けた。

すると、彼はキースがどんな人物なのかを話してくれた。
そのキースが言うには、

「あの男がフランクリンのために手紙を書いたとは
絶対に考えられない。あの男を知っている人ならば、
これぽっちも信用する人は一人もいない」
と。

そして、彼が言うには、人に与える信用を全く持たない知事が、
私のために信用状を書くなんて、とんでもない話だと言って笑った。

 

私は、「これからどうしたらいいのか心配だ」と言うと、
今まで学んだ商売の道で、仕事を見つけるよう努力するといい
とアドバイスしてくれた。

「ここの印刷屋の環境で もまれれば、腕も磨けるし そうすれば、
アメリカへ帰ってから開業するのに、より一層 好都合だろう。」

と彼は言った。

 

私たち2人は この文房具商と同様に、代言人のリドルスデンが
全くのならず者であることを、偶然にも知っていた。

彼がリード嬢の父親を説得して、自分の保証に立たせ、
半ば破産させたことがあったからだ。

この手紙によれば、この時私たちと一緒に渡航している
はずだった、ハミルトン氏の不利を計る目的で何か陰謀を
企てているらしい。

しかも、キースはリドルスデンと共に、それに一役買って
いるようであった。

デナムはハミルトンの友人であったから、
このことを今すぐ伝えなければならない、と考えた。

 

そこで、ハミルトンがイングランドへやって来ると知ると、
私はハミルトンの元を訪ねて、その手紙を渡した。

それは、キースとリドルスデンに対する怒りと怨みから、
そして、ハミルトンに対する好意からでもあった。

この知らせは、ハミルトンにとってとても重要なもの
だったので、彼は心から私に感謝した。

この件以来、彼は私の親友となり、その後いろいろな場面で、
少なからず強力してくれた。

 

それにしても、知事ともあろう人が、こんな浅はかな
計画を企てて しかも、何も知らない貧しい青年を、
ここまで騙すとは、いったいどう考えたらいいだろう。

考えれば考えるほど、激しい怒りを感じた。

しかし、それは 彼の場合、悪い習慣となっていたからである。

彼は 誰からにも好かれ、喜ばれようと思うあまり、
与えるものは何もないのに、約束だけを与えていたのだ。

この点を除けば、彼は聡明で者分かりのいい人物で、
文章もかなり達者で、彼を任命した領主たちにとっては
そうでなかったとしても・・・

というのも、彼は時々領主たちの命令を無視した
ことがあったからだ。

確かに、一般の人たちにとってはよい知事だった。

私たちペンシルベニア植民地の、最も優れた法律の中には、
彼が立案し、その在任中に通過したものも何種類かある。

<怒りを抑える出来ごと / 成功者でも失敗する>

by 上田真司

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コメント

  1. はじめまして、ブログにコメントいただきまして
    ありがとうございます。

    はじめに、勝手ながら、上田さんのブログのリンクを貼ってしまいました。
    ダメでしたらおっしゃって下さい。

    すごい人生を送ってみえますね。ざっとしか拝見しておりませんが、ひとつの出会いから人生を変えられたのですね。

    私もまだまだですので、かなり刺激を受けました。

    世の中すべてのひとは幸せになる能力はあるし、スキルもある。

    あとは覚悟と想像力でしょうか。

    これからもお付き合いのほどよろしくお願いいたします。


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