クエーカー教徒を味方に付けた交渉術


【其の117】クエーカー教徒と、フランクリンの関係

州会は、軍備問題にはかねて困っていたのだが、彼らは、
この問題について、私が、いつも 知事と共同戦線を張る参議院たちと、
親密な関係であることが気に入らなかった。

だから、おそらく、私から止めると申し出ることを期待していた
と思われる。

しかし、そんな彼らも、私が単に義勇軍のことに熱中している
というだけでは、止めさせるわけにもいかず、だからといって、
他に、これといった理由も 見つからなかったのである。

実際、国防の問題は、援助することを求められさえしなければ、
このことに反対するモノは、一人もいない。そう断言できる
明確な理由があった。

それは、侵略の戦争には反対ではあるが、自衛の戦争には明らかに
賛成しているものは、予想よりも遥かに多かったからだ。

この問題に関して、賛否を論じたパンフレットが数多く出版された。

中でも立派なクエーカー教徒の手になる、防衛戦争賛成論は、
同派の青年の大部分を納得させるのに、とても役立った。

 

私たちの消防組合で起こった、ある1つの事件のおかげで、
私は、クエーカー教徒の間の有力な意見が どのようなモノなのか、
理解を深めることができた。

というのは、砲台の建設計画を助けるため、当時60ポンドばかり
あった組合の手持ちのお金で、富くじ券を買ったらという案が
出ていた時のことである。

組合の規則によると、お金は案の出た次の集会のときまで支出
できないことになっていた。

組合は30人からなり、その中で22人がクエーカー教徒で、
他の宗派の物は、わずか8人にすぎなかった。

私たち8人の者は、規則正しく 集会に出席していた。

クエーカー教徒の中にも、私たちに賛成してくれる者が
何人かはいるであろう。と思ってはいたが、多数を制するほどの
確かな見込みは、全く立たなかった。

ところが、クエーカー教徒から、ただ一人、ジェイムズ・モリス氏が、
この案に反対するために 現れただけだった。

モリス氏は、宗派の者は 全員 反対しているのだから、このような案が
仮にも提出されたことは、まことに遺憾である。
と述べた。

そして、これが原因で 揉め事が起こり、組合が潰れるようなことに
なるかも知れない言った。

 

私たちは、これに答えて言った。

「 そんなわけはありますまい。私たちは少数です。あなたの宗派の
  人々が この案に反対だとしても、投票の結果、私たちが負ければ、
  全て このような団体の慣例通りに、私たちは、それに服さなければ
  なりませんし、また、そうすることでしょう。」

やがて、この案を上程する時刻がきて、投票の動議が提出された。

モリス氏は、

「 では規則に従い 投票するならしても、特に異存はないが、
  自分の確信するところによれば、この案に 反対するため出席
  しようと思っている者が 何人もいるから、その人たちが来る
  まで、しばらく待つほうが 公平ではないか? 」
と言った。

<フランクリン、宗教的な断食を行う / 負けないビジネス交渉術>

by 上田真司

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